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顕現

11.顕現

S100号(162.1×162.1cm)2002年

この年は正月から南瓜ばかり描いていた。それだけ描きたいと思える南瓜に恵まれていたわけでもある。それから大学院の授業でシュルレアリスムについて連続講義をしていたので思考経路や感覚が、かなりそちらに傾斜していたように思う。この絵はそういった流れから必然的に生まれたものだろう。考え抜いた末のイメージではなく、ある夏の夜に唐突にこの絵の構図が、「天から降ってきた」のである。経験から、そういう時の方が得てして良い結果が出ることは知っていたのでそのイメージが消えないうちにと、寝るのを延ばし、すぐに4号のカンヴァスに描いてみた。ポイントは巨大南瓜の肩にかかる月である。この習作が気に入ったので、それを正方形の大作構図に変え久しぶりにわくわくしながら描き進めていった。完成前から気持ちの高ぶりを押えられなかったが第6回小磯良平大賞展に応募したところ、二席にあたる優秀賞を射止めることができた。

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