『美しい驚き 泉谷淑夫の世界』展覧会図録

2019年10月から2020年1月にかけて、
静岡県伊東市の池田20世紀美術館で開かれた個展
『美しい驚き・泉谷淑夫の世界』の展覧会図録の内容紹介をします。
まずこの図録の表紙は二種類あります。(写真1)
制作段階で二つの候補案を作ったところ、どちらも気に入ってしまったので、
結局2種類の表紙を作ることにし、購入される方に選んでもらうようにしました。
最近は東京の美術展でも展覧会図録の表紙が2種類あるケースもあり、
それにならった次第です。
買われる方はどちらにするか結構悩まれるようです。
ちなみに昼ヴァージョンと夜ヴァージョンの売れ行きは、今のところほぼ半々です。

この図録には寄稿文が二つ納められています。一つは私の拙文『羊の画家の文明論』です。これは私の描く「羊の寓話世界」の根底に流れる私なりの文明批評を散りばめた小論です。新しいHPの表紙にも使われている最新作《白昼夢》に関する解説も入っています。(写真2)
もう一つは平塚市美術館館長代理で美術評論家の土方明司氏による『泉谷淑夫の世界展によせて』と題した評論文です。
私が20代前半に神奈川県美術展でデビューした時に、私の絵を高く評価してくれたのが土方氏の父君・故土方定一先生であったという御縁もあり、直々にお願いしました。
私の絵のモチーフとしての「羊」に触れている箇所もあり、きっと皆さんが私の絵画世界を読み解く際の手助けになると思います。
次に図録の中心となる作品群の構成は、以下の6つのセクションに分かれています。
池田20世紀美術館の展示でも、これに準じた会場構成にしました。
1.宇宙時代の羊

「1.宇宙時代の羊」では、近年モチーフとしてよく登場する宇宙飛行士やロケットの打ち上げのある作品を集めました。(写真3)
2.初期作品から羊の登場まで

「2.初期作品から羊の登場まで」では、卒業制作から電球頭の人間、最初の羊の絵を含む羊の初期作品まで20代、30代に描いた作品を集めました。(写真4)
3.羊をめぐる物語 Ⅰ

「3.羊をめぐる物語Ⅰ」では、40代、50代に描いた羊の作品を集めました。
小磯良平大賞展で優秀賞を受賞した《顕現》や特別展『月・歌会始御題に寄せて』に出品した《SHOOT》なども入っています。(写真5)
4.名画との戯れ



「4.名画との戯れ」では、《モナ・リザ》や《落ち穂拾い》、フェルメールの室内画を元にしたパロディ作品を集めました。
資料的価値を高めるために、現在は個人蔵となっている多くの旧作や初収録の新作も入れましたので、私のパロディ世界の全貌が楽しんでいただけます。(写真6、7、8)
5.羊をめぐる物語Ⅱ

「5.羊をめぐる物語Ⅱ」では、《ENERGY》《決壊》《阿修羅》の『ENERGY三部作』や自由の女神をモチーフにした《幻影》と《三つの自由》など、近年の羊の大作を集めています。(写真9)また、《灯下》と《斜光》の2点の自画像も納めています。
6.裸婦デッサン

「6.裸婦デッサン」では、明暗の調子や質感表現のための修練としての裸婦デッサンを集めています。(写真10)
羊や名画のパロディとは一味違う写生の世界を楽しんでいただけます。

巻末の年譜には、誕生から現在に至る詳しい活動状況がまとめられています。
絵画制作の発表歴や受賞歴に加え、画業を志すようになった経緯や美術教育に関係した活動も取り上げて、「ニ兎追流人生」がよく分かるようになっています。
上部には年譜の内容に関係する貴重な写真も多数掲載されています。(写真11)
この図録に収録されているのは、池田20世紀美術館の企画展に出品された50点の他、その会期中に横浜高島屋で開催された個展に出品された新作や各セクションに関連した参考作品なども含まれているため、計70点の作品が収録されています。
これまでの作品集では30点程度でしたから、この一冊で倍以上の作品に触れることができるというわけです。
図録の購入方法について
『美しい驚き・泉谷淑夫の世界』展覧会図録

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