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第78回『 マイ・コレクション/ 変わったデザインのネクタイピン ~その2 道具、機器、楽器類~』

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10月になりました。9月の中旬から猛暑も和らぎ始め、ふと気づくと秋の虫たちの鳴き声も聞こえるようになってきました。近年の日本の気候は「四季」から「二季」に変わったとはいえ、確実に季節は動いているようです。

大学の授業も9月16日から始まり、私の大阪通いも再開されました。19日と20日には一陽展の審査会があり、久しぶりに東京のホテルに連泊しました。審査では我が『陽のあたる岡』のメンバー二人が大健闘し、それぞれ大きな賞を受賞することができました。また大阪芸大から出品した二人も好結果を残してくれたので、遠路はるばる東京まで行った甲斐がありました。

審査していて思ったことは、力作を次々と見ていると疲れも吹っ飛び、元気になるということです。これは8月の岡山県展の審査でも感じたことですが、やはり優れた絵には目に見えないパワーがあるのでしょう。

さてマイ・コレクションの『変わったデザインのネクタイピン』も2回目です。

前回はコレクションの中で最も多い道具類を紹介しましたが、今回はその続きです。
合わせて機器類や楽器類も紹介します。

ところで前回、私のコレクションの中核を占めている横浜駅のジョイナスという駅ビルの4階にあった「変わったデザインのネクタイピン」を専門に扱う店のことを紹介しましたが、残念ながら現在はありません。開店後10年くらいで店を閉めたようです。元々マニアックな品ぞろえの店でしたから、私のような顧客は少なかったのでしょう。
この店以外では、各都市にある大きなデパートのネクタイ売り場や上野や神田にある小さな小物商などが今でも少し扱っています。一般的にデパートのものは高く、小物商の物は安いのですが、安いもの中には質の悪いコピー商品もあるので要注意です。本物を型取りして作っているので形がシャープでなく、金属の質も悪いので壊れやすいのです。コピー商品にはくれぐれもご注意ください。

さて今回最初に紹介するのはこれですが、何だか分かりますか?(写真1)

写真1

カジノでお馴染みのルーレットに使う回転する円盤と賭けに使うコインです。「カジノの女王」と呼ばれて人気のルーレットをタイピンにしてしまうという発想がすごいですね。横長の形状にするために多数のコインを使った工夫が光っています。このタイピンをしていたら、運が回ってくるかもしれません。しかし私はカジノには行ったことがないし、ルーレットもやったことがないので、このタイピンをしていく機会がありません(笑)。

二つ目は体温計と歯ブラシです。(写真2)

写真2

この二つには何となく朝の起床後のイメージがあるので、組み合わせてみました。
この体温計は今では懐かしい水銀の体温計です。だいぶ前から体温計もデジタル時代に入ったので、今でもこれを使っているという人はかなりのアナログ派でしょう。脇に挟んで5分くらい計り、体温を確認したら手で振って水銀柱を元に戻すなんてことをやっていましたね。それにしてもこの体温計、リアルでしょう!
歯ブラシの方はそれだけではインパクトが弱いので、歯磨き粉を乗せたところが工夫です。さらにその歯磨き粉の先端を少し跳ねてたところがいいですね。この二つで反応がいいのは体温計の方で、意外性とユーモアが感じられる点が理由のようです。

三つ目は調理関係の器具です。(写真3)

写真3

上がソースポットで、下は鍋ですね。どちらもカレーに関係するものなので並べてみました。
若い頃外食をしたレストランで、ソースポットにカレーのルーが入って運ばれてきた時には、何とも高級な感じがして嬉しくなったものです。このタイピンはそのソースポットを真横から捉えて、そのシルエットをシンプル且つ整然と再現しています。金属の質感も申し分ありません。
これとは対照的に鍋の方は、斜め上からの視点で蓋の外れた状態を捉え、まるで鍋が宙に舞っているような動きがダイナミックに表現されています。すごいのは今にも蓋と鍋の本体が分かれてしまうような緊張感が感じられることです。
この二つはおそらく同じ作者の手になると思われますが、デザインに対する真摯な姿勢に頭が下がります。

四つ目は革製品です。(写真4)

写真4

上が旅行鞄で下がフットボールです。
この二つもとてもリアルな造りですが、注目ポイントは実は大きさなのです。なんと旅行鞄の方は幅が2㎝、フットボールは幅が2.4㎝です。その小ささが逆に魅力となって人目を引くので、この二つも結構人気があります。ただこれだけ小さいとニットタイの方もかなり細めで薄手のものを用意しないといけません。私の場合は夏用に買ったニットタイが2本あるので毎回それに着けていましたが、近年の猛暑で盛夏にネクタイをすることがなくなってしまったので、最近はなかなか出番がありません。

五つ目は二種類の矢です。(写真5)

写真5

上は弓を弾いて放つ通常の矢ですが、下は何の矢だか分かりますか?これはダーツという競技(遊び)に使う矢で、手で持って的に投げつけるものです。二つに共通しているのは細長く鋭い形態です。先端も尖っていますから、ニットタイへの着脱が意外に難しいのです。
皆さんはどちらの矢が好きですか? 

六つ目に紹介するのは、私の持っているタイピンの中ではアイディアに最もひねりが効いているものたちです。(写真6)

写真6

ネクタイピンのデザインがネクタイだなんて、凄すぎません!このユーモアとウィットには私も参りました。最初に入手したのは上のタイピンです。形状に躍動感があっていいですね。しばらくしてから下のタイピンを見つけましたが、こちらはさらに凝っていて、ネクタイの裏も見せるというひねりようです。細部の造りもリアルです。作者は違うと思いますが、このアイディアが出た時は嬉しかったでしょうね。

道具類はここまでで、七つ目からは機器類です。

最初は今ではすっかり目にしなくなったものたちです。(写真7)

写真7

これらがラジカセのデッキと分かる人はご高齢の方でしょう。
何しろどちらもカセットテープを入れるタイプですからね。ラジカセはラジオも音楽も効けるという優れモノで、多くの家庭にありました。
上は正面から平面的に捉えたデザインで、下は斜め上から立体的に捉えたデザインです。上の方がより古いタイプです。しかし聞くところによると近年はカセットテープの人気が一部で再燃しているとか。もしかしたら若い人でもこれを使っている人が居るかもしれません。もちろん私は今でもカセットデッキを書斎に置いていますよ(笑)

次の機器類も今では見なくなってしまいました。(写真8)

写真8

どちらも電話に関した機器ですが、皆さんは何だか分かりますか?上は家庭用固定電話の子機で、下は旧式の携帯電話です。我が家にはまだ固定電話があるので、このタイプの子機もあります。携帯電話の方は私が最初に使っていた機種に似ています。このデザインのすごいところはストラップです。裏の留め具とはギリギリのところで接続されています。

九つ目は機器類の最後です。(写真9)

写真9

上はカメラですが、長い望遠レンズが付いています。見るからに重そうですね。機種は「PTK」のロゴが見えるので、有名なアサヒペンタックスのようです。下は何だか分かりますか。実はこれ、時計なんです。文字盤が取れて、中の構造がむき出しになった状態です。よく見ると細部まで忠実に再現されていて、タイピンとは思えないほどです。バーが付いているのでコレクションの条件に抵触していますが、完成度の高さに脱帽してコレクションに加えました。

次は楽器類です。こちらも6種あります。最初は弦楽器です。(写真10)

写真10

上はエレキギターで、下はヴァイオリンです。
同じ弦楽器でもそこから生まれる世界はまったく対照的です。その違いが楽器の形にも現れているような気がします。シンメトリーで静的なデザインのヴァイオリンに対して、エレキギターのデザインはアシンメトリーで躍動感があります。同じギターでもアコースティックギターの方はシンメトリーです。やはり楽器の形とそこから生まれる世界には深い関係があるようです。演奏する際にもヴァイオリンは顎で固定して優雅に弾きますが、エレキギターは体と一緒に激しく動かして弾きます。

次は木管楽器です。(写真11)

写真11

上はクラリネットかオーボエか分からなかったので調べたところ、オーボエでした。
下はフルートです。金属でできているのに木管と言うのは素人には理解できませんが、木管と金管の違いはややこしいので、興味のある方はご自分で調べてみて下さい。
クラリネットとオーボエの違いも同様です。
ところでオーボエの方は時々使っているのですが、フルートの方は出番がありません。
何故だか分かりますか?それは長すぎるからです。
測ってみたら8㎝もありました。そんな幅広のニットタイはめったにありませんからね。

次は木管楽器と金管楽器の組み合わせです。(写真12)

写真12

上のサックスが木管楽器で、下のホルンが金管楽器です。
サックスも金管楽器に見えますが、構造的には木管楽器だそうです。
この二つは前の二つに比べると楽器の形状が変化に富んでいて、見るだけでも楽しくなってきます。やはり音の出る先端部分がラッパ状に広がっているのが、楽器らしくていいですね。タイピンとしての周囲の反応もこの二つは断トツです。

以上楽器類を六つ紹介しましたが、いずれも細部まで忠実に再現している点が素晴らしいですね。

さて2回目の最後を飾るのはちょっと変わった一品です。(写真13)

写真13

デザインされているのはサックス奏者です。
帽子をかぶった人物は単純化されていて顔や腕はありません。それでもサックスを吹いている感じは伝わってきます。この人物や楽器がもっとリアルに再現されていたらどうでしょう。きっと説明的になってお洒落な感じはなくなってしまうでしょう。この辺りがアクセサリーデザインの難しいところです。私は単純化されたこのデザインが気に入っていますが、皆さんはどうでしょうか。

次回は銃器、乗り物、食材類をモチーフにしたタイピンを紹介します。お楽しみに!

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