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愁傷のモニュメント

2.愁傷のモニュメント

P80号(97.0×145.5cm)1975年

前年度に準大賞を受賞したことから、大きなプレッシャーの中で制作し夏に初のヨーロッパ旅行で一ヶ月も中断したこともあって、結局完成に半年を費やした。ミレーの《落ち穂拾い》の「かがんだ人物像」をメインモチーフとしクールベの《エトルタの断崖》を引用し全体的にダリの技法を採り入れるなど、夏のヨーロッパ旅行の影響がかなり大きい。しかしこの絵の重要な要素である空は、JR戸塚-大船間で車中から見た壮大な夕焼けの記憶に基づいていて それがそもそもの制作動機である。また農婦の空(くう)を掴む右手は、農業を営んでいた父にモデルをしてもらって描いたものである。現代文明をストレートに告発する表現が評価され、第12回神奈川県美術展で大賞を受賞。当時24歳での受賞は最年少記録でもあった。またこの受賞で地元のテレビ局の生番組に出演したり、自宅や勤務先の中学校まで取材されたのは 今となっては懐かしい想い出である。

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