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神殿

F130号(193.9×162.1cm)2001年

8.神殿

絵を描いていて嬉しい瞬間というものがある。新しい表現内容に取り組んでいる時技術が上達していると実感できる時描いている自分と画面が何かしっくりいった時などである。その逆がマンネリの状態であるが私の場合も『楽園の寓話』シリーズを展開していく中で、常にその危険性と闘っている。1998年から始めた巨大な羊飼いを配した構図にやや行き詰まりを感じたためこの作では思い切って方向転換を図った。構図の元を ジェームズ・ティソ という意外な作家から引用し手前の神殿を可能な限りトリミングして覗き構図を作り巨大な羊の偶像という新しいモチーフも入れてみた。そんな訳で制作開始から新鮮な気持ちで取り組めたが最後に羊を描き終えた時、黄昏(たそがれ)時の画面に空気を感じて今までとは少し違うレベルに到達できたような気がしたのである。その感触は第47回一陽展での安田火災美術財団奨励賞受賞という結果に結びついた。

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